紅茶好き派閥(独断と偏見による)
私はとある紅茶教室に通っています。
そこで講師陣含め様々な紅茶好きに会うのですが、紅茶好きにもまあいろいろありまして。
そこで、各好みを派閥に見立て、図を書いてみました。割と独断と偏見が入っているので、人によっては「これ違くね?」ってなるかも。
その場合はご指摘ください。確かにそうだな、と思ったら修正します。
こんな感じになりました。
解説
まず紅茶好きの定義から。
基本的にフレーバードとかブランド紅茶はあんまり飲みません。紅茶はシングルオリジン(単一産地のこと)が基本、茶園がどこかまでわかっているとなおよし!な人を、今回は「紅茶好き」とみなして、彼女ら・彼らをカテゴライズしています。
・・・てか、この時点でもう、怖くないですか!?この時点でもう紅茶の「原理主義者」でしょ!?
普通にその辺のスーパーでティーバック買って紅茶楽しんでる人からしたら、怖いよね??少なくとも私は、紅茶にハマる前はこういう人ネットで見かけた時怖かったですよ!だからその恐怖はわかります・・・。
でも、そんな紅茶原理主義者に恐れ慄く一般人は、今回は完全に置いていって、上記派閥表の解説を続けますね(笑)
「紅茶好き」は、大きく分けて二つに別れます。
さっぱり紅茶派
特徴:すっきりさっぱりとした紅茶を好む。苦味があっても、鋭い苦味。基本的にミルクなしのストレートで飲む。
産地:ダージリン、ニルギリ、ディンブラ、ウヴァ、ジャワ、キームン など
メーカー商品に例えると・・・:午後の紅茶 無糖、ジャワティー、モスバーガーの紅茶、日東紅茶 など
こっくり紅茶派
特徴:こっくりと甘味と重みがある紅茶を好む。苦味は鈍いタイプ。ミルクティー向き。コーヒー好きはこのタイプの紅茶の方が好きかも(と、某紅茶の情報誌に書いてあった)
産地:アッサム、ルフナ、ケニア など
メーカー商品に例えると・・・:紅茶花伝、午後の紅茶ミルクティー など
ちなみに先に言っておくと、私は「さっぱり紅茶派」で、その中でも「大衆紅茶派」です。なので、こっくり紅茶のことは、実はよくわかりません。正直、アッサムでもルフナでも、家にある方でいいんじゃない?とか思ってしまいます・・・。
だから、「こっくり系紅茶」の各派閥の分け方がいまいちわからず・・・ってところはありました。
と、前置きした上で、各小派閥の解説をしてゆきますね。
さっぱり系紅茶派 小派閥
ダージリン原理主義
ダージリンは神、ダージリンが圧倒的に香り高くて美味しい。ダージリンこそ至高。一緒に食べるお菓子はあくまで引き立て役にすぎないんだから、フルーツとかスパイスとかで個性出してくんなや!!というタイプ。
最後の一文は確かにその通りです。良質なダージリンは本当に香りがよくてかつ複雑さもあって、とても美味しいです。なので、お菓子の個性が強いとダージリンの個性と戦ってしまって残念な感じになってしまうんですよね。
でもその分、お菓子はどうしても主役にできないから、お菓子やアレンジなどで遊べなくなるんですよね。あと、個性が強い分、一口一口が、なんというか余韻が半端ないというか、だからごくごく飲めません。
あと、ダージリンはその熱烈な人気に対して生産量が少なく、慢性的に超過需要となっています。その結果、良質なものだけでなく質が悪いものも出回っているので、当たり外れが激しいですね。この傾向は、ワインで言うところの、ブルゴーニュ産ピノ・ロワールと同じ傾向かもしれません。なので、例えシングルオリジンで結構お金出したにもかかわらず、いざ飲んでみたら「うわ不味っ!」みたいなのもあります。
ちなみにスーパーで売っている大衆メーカーのダージリンは、ここで言っているそれとは別物と思ってください。スーパーに売っている「ダージリン」なるものは、まずほぼ確実に他の茶葉とブレンドされていて、実際のダージリンの割合は数パーセント、しかも精製してから年数が経った古い茶葉 というのがデフォルトですからね・・・。
大衆紅茶派
クオリティシーズン以外のニルギリとか、ディンブラとかキャンディとか、苦味もえぐみもマイルドで、香りも控えめ、大衆的な飲みやすい紅茶が好きなタイプです。私も元々紅茶にハマる前から「午後の紅茶 無糖」に慣れ親しんでいたタイプなので、こういう飲みやすい紅茶が好きですね。
あとダージリンと逆で、香りがそこまで強烈かつ個性的でない分、お菓子を主役にして楽しめます。例えばフルーツをたっぷり使ったタルトとか、スパイスが効いた焼き菓子、あとオレンジ風味のチョコレート系のお菓子など。お菓子そのものが強力なアロマを放っていたら、やっぱりそっちをメインで楽しみたいじゃないですか。なので「お菓子がメイン、紅茶はあくまで引き立て役」として活用できるのも、私としては嬉しいポイントです。
こうした「無個性」的な紅茶にも個性はあって、いろいろ使い分けとかコツはあるんですよ。ただ紅茶教室に行くと、これらの紅茶が「無個性でつまんない紅茶」みたいな、ぞんざいな扱いをうけることが多くて、私は悲しいです・・・。この話をしだすと長くなるので、また今度。
キームン特級派
こんな派閥あるの!?って感じだけど。キームンの特級って、すごく個性的な香りなんですよ。まるで古いお寺みたいな、いぶしたような香りがします。正式には「火香」と呼ぶらしいです。で、この香りが熱烈に好きな人がいたら、それは確実に派閥だろうと。同じさっぱり紅茶派でも、他の派閥とは一線をかくすだろうと。そういうことです。
まあ、私はキームン好きですけどね。みたらし団子とかゴマのお菓子とか、香ばしい感じのお菓子と相性抜群です。ただ、派閥に入るほどの熱狂性はないということですね。
でも、キームン嫌いな人は本当に嫌いですよね。というか、むしろ「キームン好き!」って言う人を私はみたことがないですね。
しかしながら、今世界で最もメジャーなフレーバードティーと言われるアールグレイも、元々は英国人がキームンの味と香りに感動して、キームンを真似て作られたフレーバードティーですからね。欧米人は好きな香りなのかな??
メーカーで言うと、トワイニングの「プリンスオブウェールズ」はキームンっぽいらしいですね。私は飲んだことないですけど。
https://www.amazon.co.jp/dp/B001FB63NG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_ot9pEbPWV345M
ウヴァ派
なんか、ネットでぐぐると「ウヴァ好きー!」って言ってる人の記事たまにみるので、入れてみました。なんか独特な苦味とミントフレーバーがあって、特徴的ですよね。ディンブラと似てるっちゃ似てるけど、ディンブラよりも苦味が強くて、合わせるお菓子を選ぶかな〜っていう印象はあります。
まあ、私もウヴァ好きですけどね。ただこちらも「ウヴァそのものの爽やかさや渋味を楽しもう」的な傾向がややあるので、汎用性という点では「大衆派紅茶」にちょっとばかし劣るかな、というところです。それでも、ダージリンやキームンよりはいろいろなものと合わせやすいけどね。
セイロン至上主義派
セイロン=スリランカ紅茶しか飲みません!派。もはやどんな味だからどうこうって話じゃない。ニルギリで良いところをキャンディに固執したり、アッサムで良いところをルフナに固執したり、といった感じ(あれ、じゃあこれ「さっぱり系」に限った話じゃないな笑)。
あとそもそも「セイロン」という産地のくくり以上に細かいくくりを知らなくて、セイロンの中のディンブラなのかキャンディなのか、にさえ気を配らずに「セイロンティー大好き!!」って言っている人もこの派閥に含まれます。
こっくり紅茶派 小派閥
リーフ至上主義派
こっくり紅茶は、さっぱり系紅茶と異なり、「CTC」という製法の紅茶が含まれます。これは、紅茶がリーフでなく、まるでペットの餌のペレットかなんかみたいに、直径1mmくらいの球体に加工されています。私も経緯をよく知らず恐縮ですが、CTCの方が大量生産・大量消費に向いているようです(気になる方は自分で調べてください)。あとCTCの方が味が濃く出やすいです。
で、このCTC紅茶は認めん!良質なリーフのアッサム(ないしルフナ)の紅茶がストレートで飲みてえんだよ!!という人々の派閥が、リーフ至上主義派です。
ちなみにリーフティーが断然良い!という人自体は別に「さっぱり系紅茶」派にもいます。
冒頭にも述べましたが、私自身が「こっくり系」好きじゃないため、こっくり系同士の違いもよくわからず、うまく小派閥を作れませんでした・・・。
ロイヤルミルクティーを作るなら、別にアッサムでもルフナでもどっちでもよくね?と思ってしまっている私なのです。
こっくり系の紅茶に詳しくて、こんな小派閥はいかが?っていうのがあったら、ぜひご教示ください・・・。
無所属
ラプサンスーチョン派
これも「こんな派閥の人いるの!?」って思いながら書いてますが。松をいぶした超独特な香りが染み付いていて、まるで正露丸みたいな、すごい匂いがします。お菓子とはまず合わせられないです。
まあ、さっぱりかこっくりかでいうとさっぱりなんでしょうが、あまりにも個性的すぎて、両党いずれにも属せない、と判断しました。
でもこれもまた、一部欧米人には人気と聞きました。・・・本当なのでしょうか??